数々の観測データや撮影画像を地球に届け、2017年9月にそのミッションを終えた土星探査機「カッシーニ」。その最後に捉えた写真は以前にご紹介しましたが、NASAは新たに同探査機が撮影し合成した「土星とその環が完全に収まった画像」を公開しました。
今回の画像は、カッシーニが土星大気へと突入したわずか2日前となる2017年9月13日に撮影されたものです。この写真は1回の撮影で捉えられたわけではなく、複数の撮影画像を合成したもの。それでも、土星の素晴らしく美しい姿が楽しめるはずです。
また画像には、土星衛星のプロメテウス、パンドラ、ヤヌス、エピメテウス、ミマス、エンケラドゥスなども小さなドットとして写り込んでいます。
NASAとESA(欧州宇宙機関)、イタリア宇宙機関によって1997年に打ち上げられ、2004年6月に土星に到達したカッシーニ。また途中では探査機「ホイヘンス・プローブ」を衛星タイタンに投下するなどのミッションも行いました。そしてタイタンにメタンやエタンでできた海を発見したり、エンケラドゥスにて生命の存在の可能性を示唆する熱水の噴出を観測したりと、素晴らしい成果をあげたのです。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute
■Beautiful Saturn: Cassini Team Unveils Farewell Photo of Ringed Planet
https://www.space.com/38866-nasa-cassini-saturn-farewell-photo.html
(文/塚本直樹)