2017年10月19日に史上初めて観測された、太陽系外からの恒星間天体「オウムアムア」。その表面は有機物で覆われ、内部の氷のコアを守っていることが、クイーンズ大学の研究者によってネイチャーに報告されています。これにより、オウムアムアは小惑星というよりも彗星に近い天体であることが予測されます。
オウムアムアは最初に観測された時、彗星の一種ではないかと考えられました。しかし太陽からの影響によるガスやチリの「尾」が観測できず、恒星間天体として定義されたのです。そして今回の研究により、有機物のからが彗星内部の氷を熱から守り、彗星の尾が発生しなかったものと考えられます。
さらに研究チームは、オウムアムアは以前には氷の層を外部に持っていたものの、高エネルギーの宇宙光によって氷が失われ、やがて有機物による層が構成されたと予測しています。また有機物の層はカーボン(炭素)を多量に含んでいるようです。
発見当初から予測されていたものの、研究によって太陽系外から飛来したことが判明しているオウムアムア。すでに天体は太陽系を通り過ぎ遠ざかる一方ですが、新たな研究により新たな姿が明らかになる可能性はまだ十分にあるでしょう。
Image Credit: ESO/M. Kornmesser
■The interstellar asteroid visiting our Solar System may be shielding an icy core
https://www.theverge.com/2017/12/18/16788354/oumuamua-interstellar-asteroid-outer-layer-ice-interior-comet
(文/塚本直樹)