先日は大型ロケット「ファルコン・ヘビー」の打ち上げを成功させ世界の度肝を抜いたスペースX社ですが、同社はすでにその次を見据えています。スペースXを率いるイーロン・マスク氏はプレスイベントにて、「今後は次世代大型ロケット『BFR』開発に集中する」と発言しているのです。
BFRは再使用可能なブースターと宇宙船を組み合わせた宇宙輸送機で、全長106m、直径9mと超大型ロケットに相当。31基の「ラプター」エンジンを搭載します。宇宙船部分は全長48m、直径9m、重量85トン、ペイロードは150トン。4基のラプターエンジンと2基の「シー・レベル」エンジンを搭載し、有人宇宙船として利用すればほぼ100人が搭乗可能です。
さらに、マスク氏はBFRのテスト打ち上げを来年にも実施する可能性があると述べています。このテスト打ち上げは小規模なものとなり、フルスケールのテスト打ち上げは3〜4年後になると表明しています。また、今後も並行して「ファルコン9」やファルコン・ヘビーの運用が続けられます。
BFRは2022年に無人の火星着陸ミッション、そして2024年には有人機と無人機による火星着陸ミッションを予定しており、さらには宇宙ステーションへの補給や人工衛星などの打ち上げ、月面探査にも利用される予定です。また、初号機の製造は2017年9月の発表時では6〜9ヶ月後に始まるとされていました。
マスク氏はその他にも、ファルコン9やファルコン・ヘビー、「ドラゴン」補給船や「ドラゴン2(有人版ドラゴン)」の開発がほぼ完了しており、一方ではBFRの宇宙船部分の開発が非常に難しいことなどを明かしています。
Image Credit: スペースX
■SpaceX Will Now Focus On Its BFR After Successful Falcon Heavy Launch
http://www.ubergizmo.com/2018/02/spacex-focus-on-bfr-successful-falcon-heavy-launch/
■Elon Musk says SpaceX to focus on BFR following Falcon Heavy launch
Elon Musk says SpaceX to focus on BFR following Falcon Heavy launch
(文/塚本直樹)