これまで国際宇宙ステーション(ISS)に膨らむ宇宙ドーム「BEAM」を設置するなど、着々と宇宙空間での居住スペースの開発を進めてきたビゲロー・エアロスペース。そして同社は、膨らむ宇宙ステーション「B330」を2021年に打ち上げると表明しました。
ビゲローは柔らかな素材ででき、空気でふくらませる宇宙構造体をこれまで研究、製造してきました。このようなモジュールは打ち上げ時の体積を減らせる、重量あたりの体積が増やせる、宇宙線に対しても十分な遮蔽性が実現できる、などのメリットがあります。
ビゲローはすでに3つのモジュールを打ち上げており、2006年と2007年には「Genesis I/Genesis II」を、そして2016年4月にはISSに接続する16立方メートルのモジュール「BEAM」をうちあげています。BEAMは最短でも2020年までISSに接続される予定です。
そして、ビゲローは2021年により大型なモジュール「B330」を2つ打ち上げる予定です。このB330は内部スペースが330立方メートル確保されており、地球や月を周回、あるいは月面基地として飛行士や旅行者に居住スペースを提供します。また、同社はB330からさらに6倍も容量の大きなモジュール「オリンポス」も8〜10年以内の実現に向けて計画しています。
さらに、ビゲローは宇宙ステーションの運用を目的とした新会社「ビゲロー・スペース・オペレーション(BSO)」の設立を発表。昨年設立されていたこの新会社は実際の運用に向けて、着々と準備を進めています。またビゲロー・スペース・オペレーションは宇宙ステーションの需要調査も行います。
なお興味深いことに、ビゲローは「膨らむ宇宙ステーションの滞在価格は7桁台前半(数百万ドル:数億円)になるだろう」と表明しています。庶民にはとても手が届きませんが、お金持ちならぜひ滞在してみたい価格になるかもしれませんね。
Image Credit:ビゲロー・エアロスペース
■Bigelow Aerospace Launches New Company to Operate Private Space Stations
https://www.space.com/39752-bigelow-space-operations-private-space-stations.html
(文/塚本直樹)