木星を特徴づける、巨大な渦こと「大赤斑」。しかしNASAのジェット推進研究所(JPL)の研究によれば、この大赤斑は20年以内に消えてしまう可能性があるというのです。
1830年に初めて観測され、おそらく1600年代からその存在が知られていた大赤斑。そして木星探査機「ジュノー」のプロジェクトを率いるグレン・オールトン(Glenn Orton)氏がBusiness Insiderに語った内容によると、大赤斑の勢いは木星の時速483〜640kmという強烈な嵐のお陰で維持されています。しかし、そのサイズは徐々に縮小しているのです。
そして10年か20年後には、大赤斑(Great Red Spot)はGRM(Great Red Memory)の後にGRC(Great Red Circle)になってしまうだろうと、オールトン氏は語っています。
1800年代後半、大赤斑の幅は経度で30度分、地球の直径の4倍となる3万5000マイル(約5万6000km)もの大きさがありました。しかし1979年に探査機「ボイジャー2号」が観測した際に、その大きさは地球2つ分より少し大きい程度にまで縮小していました。そして2017年4月3日の観測では、大赤斑のサイズは1万6350kmと地球1.3個分未満しかありません。
もし我々が生きている最中に大赤斑が消えるとすれば、それは少しさみしいですが一大天文イベントとなりそうです。
Image Credit: NASA/JPL/Björn Jónsson/Seán Doran/Flickr (CC BY-NC-ND 2.0)
■Jupiter’s Great Red Spot Could Disappear Within 20 Years
https://www.space.com/39764-jupiter-great-red-spot-could-disappear.html
(文/塚本直樹)