当初は2018年の打ち上げが予定されていたものの、ズルズルとその時期が繰り下がっている「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」。こちら、残念がらNASAからその打ち上げ時期が2020年5月に延期されることが発表されました。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は「ハッブル宇宙望遠鏡」の後継機となり、18枚の小さな鏡を組み合わせて宇宙で展開する主鏡の口径が6.5メートル(ハッブルは2.4メートル)と非常に大きいのが特徴です。「アリアン5」ロケットによって打ち上げられ、地球から約150万km先のラグランジュ点L2に設置されます。また主鏡下部に展開するシールドで太陽や地球からの影響を最小限に抑えることで、深宇宙やビッグバン直後の銀河などの観測が期待されているのです。
NASAは今回の打ち上げ時期の延期について、本体下部に展開されるシールドなどジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のシステムのテストを重ねる必要があると説明しています。具体的にはシールドの展開と収納に思ったよりも時間かかり、また展開用のケーブルの問題でシールドに小さなキズが付くことが判明。さらに、推進システムのトランスデューサーも正しく動作していないことも問題となっています。
今回の延期により、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡はその開発費用も増大することになります。
Image Credit: NASA
■NASA Delays Launch of James Webb Space Telescope Until 2020
https://www.space.com/40102-james-webb-space-telescope-launch-delay-2020.html
(文/塚本直樹)