宇宙開発企業のスペースX社といえばロケット打ち上げの中継で知られていますが、2018年3月の打ち上げでは途中で中継が打ち切られるという珍しいアクシデントが発生しました。これは、NOAA(アメリカ海洋大気庁)の要請によるものでした。
実は、NOAAは軌道上からの地球の撮影に対し規制をかけています。これは衛星画像の適正利用を目的とした1992年に成立した法律で、スペースXだけでなく他の軌道上のロケットからの地上撮影を行う企業も従う必要があります。ただしなぜこのタイミングでいきなりケチ……ではなく文句がついたのかについては、「ファルコン・ヘビー」とテスラ・ロードスターによる地球中継が派手すぎたのでは、という憶測もあります。
海外メディアのThe Vergeによれば、スペースXはロケットの打ち上げ直前にこのライセンスを申請したのですが、申請のレビューには最大120日かかるとのこと。一方で、米国家宇宙評議会ではこの規制の緩和について話しあわれているとの情報もあります。
現時点では、スペースXが次の打ち上げについてライセンスを申請したのか、あるいはいつ規制が変更されるのかについての情報はありません。しかしこれは宇宙開発の素晴らしさを一般にもわかりやすく伝えられる素晴らしい試みですから、なるべく早い時期に再開されることを願いたいものです。
Image Credit: スペースX
■SpaceX’s Earth views need a license now, probably thanks to the Tesla stunt
https://www.theverge.com/2018/4/5/17197742/spacex-falcon-9-rocket-launch-livestream-noaa-regulation
(文/塚本直樹)