東北大ら共同研究チームの研究結果によると、月の隕石に水が存在した痕跡である鉱物「モガナイト」が含まれていた事がわかりました。
「モガナイト」の生成に水が不可欠であることから、水資源に豊富な地球にしか存在しないと考えられていました。なお報告によると、地球外物質から検出されたのは今回が初めてとなります。
「モガナイト」を含んだ月隕石NWA2727が生成された手順としては、(1)約30億年前にNWA2727の母体となる岩石がマグマから固化(2)27億年前以降に「プロセラルム盆地」にアルカリ性の水を含んだ炭素けいコンドライトが衝突(3)太陽光で水が蒸発しモガナイトが生成される。地下などの低温地に流れた水が氷となる(4)100〜3000万年前までに巨大天体が衝突し、地球のアフリカに落下、といったプロセスが想定されています。
これらから月でも水の活動が生じていたこと、ウサギ模様の部分である「プロセラルム盆地」の地下には豊富な氷が現存している証明になるとしています。また、氷の埋蔵量は岩石1立方メートルあたり18.8リットル。月で人類が利用できる水資源として今後の研究に期待されます。
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■月の地下に大量の氷が埋蔵されている可能性 月隕石から氷の痕跡である「モガナイト」を発見、月で利用可能な水資源に期待!
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