宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」は2018年6月27日9時35分(日本時間)、目的地の小惑星「リュウグウ」に到着しました。
はやぶさ2は2014年12月3日の打ち上げから約3年半の飛行を経て、現在地球から2.8億km(地球と太陽の距離の1.9倍)の距離にある小惑星リュウグウに到着しました。到着と言っても着陸したわけではなく、地球から見てリュウグウの手前に約20km離れた、予定の位置に停止(リュウグウとの位置関係が変わらない状態)しています。この状態ではやぶさ2が正常に作動していることを確認して、「到着」ということになりました。
JAXAのはやぶさ2運用チームは7:10に、はやぶさ2とリュウグウの速度差を秒速1cm以下にするための最後の命令を送信。はやぶさ2は9:30に横方向、9:35に減速方向の噴射を行いました。はやぶさ2と地球の間は光速でも16分かかるため、16分後の9:51から、はやぶさ2の速度や噴射結果を確認。9:54、津田雄一プロジェクトマネージャーがリュウグウへの到着を宣言すると、管制室では「やった!」と歓声が起こり、握手したり抱き合ったりして喜びあったということです。
先代「はやぶさ」とうって変わって大きなトラブルなしに到着したことについて、吉川真ミッションマネージャーは「はやぶさの経験から様々な改良をし、運用も慎重にやってきた。いろいろな観測機器を積んでいるし、かなり科学的成果が上がるのではないかと感じている」と期待感を述べました。
またJAXA宇宙科学研究所(ISAS)の久保田孝教授は「これからじっくりとリュウグウを観測し、着陸へ向けて「相手を知る」とう段階に入る。サンプルリターン(小惑星のサンプルを地球へ持ち帰る)へしっかりやっていかなければいけない」と話しました。
はやぶさ2は今後、搭載している観測機器を使ってリュウグウを調べながら徐々に接近し、8月頃に着陸する予定です。また地球への帰還は2020年末を予定しています。
Image credit: JAXA、大貫剛