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火星探査機インサイト、いよいよ着陸へ。超小型人工衛星マルコからの中継に期待

sorae.jp 2018年11月26日 17時4分

NASAの火星探査機「インサイト(InSight)」は、日本時間11月27日午前5時頃に火星に着陸します。

インサイトは、現地時間2018年5月5日に米国カルフォルニア州にあるヴァンデンバーグ空軍基地からアトラスVロケットによって打ち上げられました。当初の計画では、2016年3月の打ち上げを予定していましたが、搭載する地震計にトラブルが発生したため、計画が再設定されたものです。

インサイトは火星の地質学的進化の研究・調査を目的とした探査機。他の移動式の探査ローバーとは異なり、移動せず着地点に留まり主に3つの装置を用いて調査を実施します。

地表に設置する装置「火星地震計SEIS」は、火星で発生する地震や隕石の落下による衝撃、風などの大気変化についての調査に使用し、「地中熱流量計測装置HP3」は、火星に3〜5メートルの穴を掘って温度計測装置(Heat Flow Probe)を設置して、内部から伝わる熱などのエネルギー状況を観測。さらに、インサイトの上部には「電波科学計測装置RISE」といった、火星も地球と同様に自転軸に対して本体が移動する現象である「極運動」を電波で確認するアンテナを装備。
これらにより、地球や火星、金星などの岩石から構成されている地球型惑星の成り立ちの解明を目指します。

また、インサイトと同時に投入されたキューブサット(超小型人工衛星)である「MarCO-A」「MarCO-B」(通称:マルコ)も同時に火星に接近し、インサイトの着陸時のデータをリアルタイムに送信します。マルコはキューブサットとして史上初の惑星探査ミッションに加わり、その役割に期待が高まっています。

なお、インサイトの火星探査はこれから約2年間、2020年11月24日まで活動することとなります。

▲ドーム状の火星地震計SEIS

▲地中熱流量計測装置HP3と下に伸びる温度測定装置

▲左右にあるスピーカーの様な電波科学計測装置RISE

Image Credit:NASA
https://mars.nasa.gov/insight/spacecraft/instruments/summary/

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