JAXAは、金星探査機「あかつき」が撮影した金星の低い雲の動きを捉えた画像を公開しました。
この画像は「あかつき」に搭載されている「IR2カメラ」によって、合成疑似カラーで作らえたものですが、今まで見たことのない金星夜面の下層雲の様子を把握することができます。また「IR2カメラ」からのデータにより、下層雲にまで太陽加熱による熱潮汐の影響がある可能性や、過去のデータと組み合わせることで下層雲運動の長期変動を明らかにし、最大30m/sの風速変化があることも分かりました。
この結果は、金星の自転を追い越す大気運動である「スーパーローテーション」のメカニズムを解明するいとぐちになるかもしれません。
なお「IR2カメラ」は、マイナス210度まで冷却する装置により安定した赤外線撮影を可能とし、宇宙環境用にカスタマイズされた冷凍しても壊れない耐久力を持つCCDとレンズによる”高性能”の100万画素カメラです。
カメラを冷やして温かい被写体を観測することから、同じく搭載されている「IR1カメラ」と共に「LEON(冷温)」の愛称を持っています。
Image Credit:JAXA / ISAS / DARTS / Damia Bouic
■「あかつき」の観測から金星の低い雲の動きが明らかに
http://www.isas.jaxa.jp/topics/001985.html