ハッブル宇宙望遠鏡は、宇宙に浮かぶ色鮮やかな「NGC 6396」の姿を捉えています。
「NGC 6396」は、へびつかい座の方向約3500光年先にある惑星状星雲です。死に至る星の残骸でもある惑星状星雲は、太陽に似た恒星の最期の姿。晩年に赤色巨星となった恒星の外装部のガスが放出され、紫外線によって電離することで色鮮やかな雲となります。
惑星状星雲にも色や形の個性があり、「蝶々」「目」「細胞」など様々な形に表現されています。この「NGC 6396」の場合は円形で比較的暗く、中心星がおどおどしい雲に包まれている様に見えることから「小さな幽霊星雲(Little Ghost Nebula)」と呼ばれています。「幽霊」に例えられる(または季節的に例えられた)天体は他にも存在しますが、一番有名な「幽霊」は「NGC 6396」ではないでしょうか。
この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の広域惑星カメラ「WFPC2」の赤外I、光学N(II)/H-α/V/O(III)/Bによって撮影され、2002年11月に公開されました。
Image Credit:ASA/ESA and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)
■Hubble – The Ghostbuster
https://www.spacetelescope.org/images/opo0225a/