2014年、ハッブル宇宙望遠鏡によって巨大銀河団「ACT-CL J0102-4915」が太陽の3000兆倍の質量があることが確認されました。この巨大な銀河団はスペイン語で「El Gordo(エルゴルド)」という愛称が付けられており、英語では「the Fat One(太ってる奴)」を意味しています。その名の通り「エルゴルド」は、これまで観測されている銀河団で、最も大きく熱い。そして、X線観測でも最も明るい銀河団とされています。
また、2012年の発表では「エルゴルド」は2つの銀河団が高速に衝突したことで形成されたこと、重力レンズ効果の観測では「暗黒物質(ダークマター)」が周囲に分布されていることも確認されています。
この画像は、「RELICS(Reionization Lensing Cluster Survey)」と呼ばれる観測プログラムの一環として、ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ「ACS」および広視野カメラ「WFC3」を用いて撮影し、2018年1月に公開されました。「ACS」の5つの可視光波長と「WFC3」の4つの赤外線波長の画像を合成しています。一見、シンプルな星々の画像に見えますが、1つ1つが銀河であることを理解すると宇宙が果てしないことを再確認してしまいますね。
なお、この研究は幾度の延期により2021年に打ち上げが再設定された「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」に引き継がれる予定です。
Image Credit:ESA/Hubble & NASA, RELICS
■A gargantuan collision
https://www.spacetelescope.org/images/potw1802a/