2019年2月28日、NASAは小惑星「ベンヌ」の北極付近を捉えた最新画像を公開しました。撮影したのは、JAXAの「はやぶさ2」と同じように小惑星からの試料採取という難関に挑んでいるNASAの探査機「オシリス・レックス」です。
この画像は「オシリス・レックス」に搭載されている光学観測機器「OCAMS」を構成するカメラのひとつ「MapCam」によって、1.8kmの距離から撮影されました。画像の中央や左側に写っている大きな岩の幅は、およそ16m。運送業などでよく用いられているセミトレーラーと同じくらいの長さです。
NASAの惑星科学部門が運用しているTwitterアカウント「@NASASolarSystem」も、ユニークな表現でこの画像を紹介しています。
「ベンヌでのハイキングには良い面と悪い面があります。とてもごつごつした地形をしていますが、小惑星の重力は非常に弱いので、岩をも飛び越えることができます(宇宙まで飛び出さないように気を付ければの話ですが)」
と、いったように、岩や小石で覆われた荒々しい表面の様子と小惑星の重力の弱さを、ハイキングで例えています。もしも実現したら、楽しくても命がけのハイキングになりそうです。
「オシリス・レックス」は来るべき試料採取に向けて、ベンヌの表面を観測中です。現時点では2021年3月にベンヌを発ち、2023年9月に地球へとサンプルを持ち帰る予定となっています。
Image credit: NASA/Goddard/University of Arizona
https://solarsystem.nasa.gov/resources/2299/mapcam-view-of-bennus-north-pole-from-orbit/