この宇宙には、よく分からない不思議な形をした天体が沢山あります。
中でも、いて座の方向約18000光年先に位置する「Henize 3-1475(IRAS 17423-1755)」と名付けられた惑星状星雲は珍しく奇妙な形をしています。
一般的な惑星状星雲のジェットは”蝶々の様な羽を広げた形”や”ひょうたん形”など、左右が対象に近い形状です。
しかし「Henize 3-1475」の場合は、ジェットを放出している中心部分が歳差運動(さいさうんどう:回転軸が変化する動き)をしていると推測され、ガスが振れてS字形になったと考えられています。
この動きは以下の動画で分かりやすくまとめられています。
意外にも単純な形成方法の様に思えますが、首振り運動や、間欠的に放出されているガスの仕組みが作り出す形状は決して単純ではありません。
この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の広域惑星カメラ2「WFPC2」の可視光と赤外線波長で撮影し、2003年5月に公開しています。なお、見るからにスプリンクラーの動きをしている天体に対し、天文学者は「庭のスプリンクラー星雲」という単純なニックネームを付けています。
Image Credit:European Space Agency, A. Riera (Universitat Politecnica de Catalunya, Spain) and P. Garcia-Lario (European Space Agency ISO Data Centre, Spain)
■The mysterious ‘Garden-sprinkler’ nebula
https://www.spacetelescope.org/images/heic0308a/