この画像は、こぐま座の方向約9000万光年の距離に位置した棒渦巻銀河「NGC 6217」です。短期間に大質量の星を生み出しているスターバースト銀河に分類されています。
爆発的な星形成が行われている箇所は、Hα線によって赤色に示されており、銀河の腕に散りばめられています。その背景には沢山の若く青い星団が誕生しており、銀河全体を包み込んでいます。
銀河の棒状構造の中心には、天の川銀河と同タイプとされる低光度活動銀河核の存在が確認されています。暗く低光度でありながらも、その正体は超大質量ブラックホールと考えられています。低光度活動銀河核は銀河核周辺のガスを殆どを吸い尽くしており、言わば燃料が枯渇している状態に近い。また、確認されている全銀河の3割はこの低光度活動銀河核と言われています。
この画像は、2009年に実施されたハッブル宇宙望遠鏡修復ミッション「STS-125」にて改修された掃天観測用高性能カメラ「ACS」のテスト撮影として行われたものです。テストは2009年6月13日と7月8日に実施され、2種類の可視光と赤外線、Hα線が用いられました。公開されたのは2009年9月9日です。
なお、何かしらトラブルの多い「ACS」ですが、2019年2月末にもソフトウェア関連の不具合が発生したとNASAが報告しています。予定以上の長期運用となったハッブル宇宙望遠鏡含め、そろそろいつ限界が来てもおかしくない状態です。
Image Credit:NASA, ESA and the Hubble SM4 ERO Team
■Barred spiral galaxy NGC 6217
https://www.spacetelescope.org/images/heic0910s/