いて座にある「M28」は、地球から約18000光年離れた場所に位置した球状星団。2019年3月11日に公開された「M28」もまた、赤と青の星を中心とした無数の星々が、散りばめられた「宝石」の様に見えます。
「M28」は1764年にシャルル・メシエが発見し、メシエカタログの28番目に記載。発見当初は「星を含まない星雲」として登録されました。現代では「星雲」は紫外線によって照らされたガスが輝いて見えることが分かっていますが、当時シャルル・メシエが使用していた望遠鏡は小型であったため、天体を明確に観測できていないものも含まれていました。後にメシエカタログの110の天体は正しく分類され、「M28」も星雲から球状星団となりました。
地上から小型の望遠鏡や双眼鏡で観測するとぼやけた天体にしか見えない「M28」も、ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ「ACS」と広視野カメラ3「WFC3」の多波長で捉えた画像では、容易に球状星団であるということが分かり、その美しさを楽しむことができます。
なお、HEIC(spacetelescope.org)では約100MBのTIFF画像が公開されており、隙間の暗い星まで詳細に確認することができます。
Image Credit:ESA/Hubble & NASA, J. E. Grindlay et al.
https://www.spacetelescope.org/images/potw1910a/