工学院大学の武藤 恭之准教授(教育推進機構)らの参加する国際研究チームは、「おうし座DM星」の周囲に存在する円盤の詳細構造をアルマ望遠鏡を用いて観測し、6天文単位という高い空間解像度で捉えることに成功しました。
その結果、生まれたての星である「おうし座DM星」の周囲に存在する円盤は、我々の太陽系とよく似た構造を持つ原始ミニ太陽系である事が判明。画像に見られるリング状の塵は、衝突合体を起こしやすく惑星が誕生しやすい環境にあります。また、中心星から20天文単位離れており、豊富な惑星形成資源があることから、大型の惑星が形成されるかもしれないと示唆されています。
ミニ太陽系という例えは「おうし座DM星」が太陽の半分の質量であるため。質量こそ軽いものの、太陽系の起源を解明するために必要な貴重な天体を観測したことになります。
今後は、「アルマ望遠鏡」に加え「すばる望遠鏡」用に開発中の超高コントラスト補償光学システム 「SCExAO(スケックスエーオー)」を用いるなど、「おうし座DM星」をより鮮明に捉え、太陽系の起源を探っていきます。
Image Credit:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO),Kudo et al. 国立天文台
[https://alma-telescope.jp/news/press/dmtau-201903]