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2018年末を飾った短周期彗星のコマ

sorae.jp 2019年4月7日 0時49分

この画像は2018年12月13日に、ハッブル宇宙望遠鏡はワータネン彗星「46P/Wirtanen」を地球から1200万kmの距離で撮影したものです。

彗星は太陽に近づくことにより、纏っている氷が蒸発し、ガスと塵からなる一時的な大気である「コマ(coma)」が輝きを増します。このワータネン彗星の画像では、青白く輝く「コマ」によって彗星の核はぼんやりと隠されています。

天文学者は、ワータネン彗星が接近した際に「ハッブル宇宙望遠鏡」「チャンドラX線天文衛星」「ニール・ゲーレルス・スウィフト観測衛星」を用いた調査を実施。彗星の氷がどのような物質で構成されているのか、核からガスがどの様に放出されるのか、ガスが太陽の熱によってどう化学反応を起こすかなど、様々な研究が行われました。

また、ワータネン彗星の最接近は12月16日。月と地球の約30倍の距離で、約1100万km離れたところを通過。裸眼ではわずかに、双眼鏡や小さな双眼鏡でも観測できるといった2018年末を飾る天体イベントとなりました。

なお、ワータネン彗星が次回地球に接近するのは5.4年後。太陽と木星軌道周辺を公転し、再び地球に接近します。ハレー彗星の公転周期75.3年に比べると非常に短周期であることが分かります。

 

Image Credit:NASA, ESA, and D. Bodewits (Auburn University) and J.-Y. Li (Planetary Science Institute)
https://www.spacetelescope.org/images/opo1863a/

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