こちらのアニメーション画像は、2019年3月26日に観測された火星における日食の様子です(アニメーションが表示されていない場合は、冒頭に掲載した静止画をご覧下さい)。実際にはおよそ35秒間続いた日食が、10倍速に編集されています。
撮影したのは、「キュリオシティ」の愛称で知られるNASAの火星探査車「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」。火星到着から2,359ソル目(1ソルは火星での1日)の出来事でした。撮影に用いられたのは、NASAが「(キュリオシティの)右目」と表現する、「Mastcam」の望遠カメラ。「Mastcam」はキュリオシティの「顔」のような部分(こちらの“自撮り写真”では左上に写っています)にある2つのカメラから構成されています。
地球の月は地表からの見かけの大きさが太陽とほぼ同じなので、タイミングによって太陽全体を隠す皆既食になったり、隠しきれなかった部分が月を縁取る金環食になったりします。そんな地球での日食と比べると、火星での日食は印象が大きく異なりますね。将来、火星に訪れた宇宙飛行士がこの日食を目にしたとき、どんなことを想うのでしょうか。
Image credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS
https://www.nasa.gov/feature/jpl/curiosity-captured-two-solar-eclipses-on-mars
文/松村武宏