この画像は、アルマ望遠鏡を用いた近隣銀河の高解像度観測による物理学研究「PHANGS-ALMA」によって捉えられた、かみのけ座の渦巻銀河「M100」の姿です。
このプロジェクトは、南半球から観測できる正面を向いた渦巻銀河が対象となっており、選出された74個の近隣銀河から、およそ10万もの「星の工場」に関するデータが観測されています。これまでに、ガス雲である「星の工場」の星の形成過程に関して、「老齢な銀河や大規模な銀河では、星形成効率が悪い可能性がある」など、銀河の特性と星形成に関する様々な議論がなされてきました。
アルマ望遠鏡の高感度・高解像度性能を用いた「PHANGS-ALMA」では、これまで以上に鮮明な銀河全体の構造や、ガス雲を詳細に捉えることに成功しています。また、約30万もの「星の工場」を観測することを目的としているこのプロジェクトですが、最終的には「銀河の特性がどのように星形成サイクルに影響を及ぼしているのか」という謎に迫ります。
この画像は、2019年4月29日に公開されたもので、超巨大望遠鏡「VLT」の赤外線画像と、ALMA望遠鏡の輝線画像CO(2-1)を合わせた合成画像です。
Image Credit:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO); NRAO/AUI/NSF, B. Saxton
https://www.eso.org/public/images/potw1917a/