中国探査車「玉兎2号」が月のマントルかもしれない岩石を採取したことが、科学雑誌「ネイチャー」に報告されています。
科学者は、このマントルらしき岩石は月へともたらされたインパクトにより、月の内部から放出された可能性を指摘されています。もし本当なら、月の形成と進化に関する大きなヒントをもたらすかもしれません。
玉兎2号は月の南極にあるエイトケン盆地にて、フォン・カルマンクレーターで活動しています。そして探査者が発見した岩石の波長分析からは、月面の岩石とは大きく異なるかんらん石と低カルシウム輝石の存在が確認されています。これは月のマントルの組成に関する長年の予測と一致しているのです。
月は形成時にマグマの海に覆われており、それが固まった時に組成の違いが生じたことが予測されています。研究者は、エイトケン盆地のような非常に大きな衝突クレーターから、月のマントルがサンプリングできる可能性を示唆しています。
Image: China National Space Administration
■What Lies Below the Moon’s Crust? China’s Yutu-2 Rover May Be the First to Find Out.
https://www.space.com/moon-far-side-mantle-china-yutu-2-samples.html
文/塚本直樹