惑星状星雲とは、超新星になれなかった恒星が赤色巨星の段階でガスを吐き出し、そのガスが恒星からの紫外線によって発光してる天体。見た目には美しい惑星状星雲ですが、この段階ですでに恒星はその寿命の終わりに近づいています。また惑星状星雲は円形のものが多いのですが、NGC 6537は伴星か磁場の影響によってこのような特徴的な形状となっています。
地球から数千光年先にあるNGC 6537は、中心に非常に高温な恒星を抱えています。その恒星が1000億キロメートルの高さの風を放出しており、ガスの圧縮、加熱による超音速の風によってローブが拡大しています。またそのショックに捉えられた粒子が輝くことで、このような美しいローブが発生するのです。
この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の広域惑星カメラ2「WFPC2」の5種類の可視光波長で捉えたもので、2001年6月に公開されました。
Image Credit: ESA & Garrelt Mellema (Leiden University, the Netherlands)
https://www.spacetelescope.org/images/heic0109a/