このレーザーによる地球防衛を考えたのは、コロンビア大学で天文学者をつとめるデービッド・キッピング氏。宇宙空間の惑星は、惑星が恒星の前を通った時の明るさの変化からその存在が観測されます。この手法はトランジット法と呼ばれており、NASAのケプラー宇宙望遠鏡は数千もの惑星を発見しています。
トランジット法は、遠くの宇宙から地球を観測する際にも当てはまります。太陽の前を通った時の明るさの変化で、地球外生命体に地球が観測される可能性がある、というのです。
そこでキッピング氏はレーザーを宇宙空間に照射することで、地球の存在を隠すことを思いつきます。言ってしまえば目眩ましのようなものですね。このレーザーは30メガワット、年間に70家庭で消費される分の電力で済むそうです。
しかし、科学技術の発達した地球外生命体が人間と同じ手法で惑星を観察しているのか?そして急に明るさの変化が無くなったら逆に怪しくないのか?とツッコミを受けているこの手法、一体役に立つ日はくるのでしょうか。
※この記事は2016年4月に掲載した記事を再編集したものです。