中国の月面サンプルリターンや火星探査、そして宇宙ステーション計画に遅れが生じる可能性が、海外メディアにより指摘されています。
中国は、大型ロケット「長征5号」の3回目の打ち上げを7月に予定していました。しかし、この打ち上げは射場へとロケットが届いていないことから、延期される見通しです。
そして、月面サンプルリターンミッション「嫦娥5号」は2019年末に、4回目の長征5号により打ち上げられる予定です。また、同国の火星探査ミッションも同じく5回目の長征5号ロケットにより、2020年7月〜8月に打ち上げられる予定なのです。また、中国独自の宇宙ステーションの打ち上げでも派生型の長征5号Bが2020年から利用されます。
4月時点の中国メディアの報道では、長征5号の部品は予定どおりに輸送準備が整っているとされていました。しかしその後、部品の輸送船は動きをみせておらず、最短でもその打ち上げは9月になると伝えられています。
長征5号の準備の遅れは、月面サンプルリターンや火星探査、宇宙ステーション建造のすべてに影響します。今後の同ロケットの開発の進展が注目されます。
Image: Xinhua
■China’s Moon, Mars and Space Station Missions May be Facing Delays
https://www.space.com/china-moon-mars-space-station-missions-delays.html
文/塚本直樹