『長野県は宇宙県』連絡協議会(会長・大西浩次氏)は、2019年7月1日(月)~9月30日(月)までの2か月間に渡り、長野県内の天文研究施設やプラネタリウム、美しい星空が見える場所などを結んだスタンプラリーを開催しています。
スタンプを押せるのは、長野県内28か所の「スタンプ設置館」と、期間中に開催される23の「スタンプ設置イベント」。スタンプ設置館は小惑星探査機「はやぶさ2」との通信にも使われているJAXA臼田宇宙空間観測所(佐久市)をはじめ、長野市立博物館(長野市)や飯田市美術博物館(飯田市)などの博物館、八ヶ岳グレイスホテル(南牧村)や白馬五竜ナイトゴンドラ(白馬村)といった観光施設が含まれます。
スタンプシートはスタンプ設置館やスタンプ設置イベントで配布される他に、公式ウェブサイトから印刷することもできます。スタンプは2個からグッズと交換可能で、『長野県は宇宙県』のオリジナルキャラクター「ほしくま」のステッカーや木曽ヒノキ製コースター、宇宙飛行士・油井亀美也さんのメッセージ入り写真プレートなどが用意されています。なお、一部グッズは交換できる地域が限られます。詳しくは公式ウェブサイト(https://uchuuken.jpn.org/2019stamp/index.html)にてご確認下さい。
7月12日には、連絡協議会の会長を務める天文学者であり、星景写真家としても活躍する大西浩次氏が、所属先の長野工業高等専門学校でスタンプ設置イベントとなる図書館講演会「ブラックホールを見た人たち」を開催。万有引力を発見したニュートンに始まり、今年の4月に公開された楕円銀河「M87」の超大質量ブラックホール撮影に至る「光の速度でも脱出できない天体」に挑んだ研究の歴史を、子どもでも理解しやすいように噛み砕きながら、時にユーモアも交えつつ解説されていました。
講演会終了後に予定されていた観望会は悪天候のため残念ながら中止となりましたが、かわりに学生手作りのオリジナルプラネタリウム体験コーナーが用意されました。
天文学者であり星景写真家としても活躍する大西氏は、今回のスタンプラリーについて「プラネタリウム、望遠鏡を使った観測施設、観望会を開催するホテルなど、長野県では星空を多面的に楽しむことができる。場所が異なれば景色も変わり、そこから見える星空も違う。自然との関わりやつながりを感じ、自分という存在を外から見つめるためにも、いろいろな星空を楽しむきっかけにしてほしい」とコメントしています。
いま長野県に住んでいる人だけでなく、期間中に旅行や帰省などで長野県を訪れる予定の人も、最寄りのスタンプ設置館や設置イベントを訪れて、この夏は宇宙や星空と親しんでみてはいかがでしょうか。
Image Credit: 『長野県は宇宙県』連絡協議会
https://uchuuken.jpn.org/2019stamp/index.html
文/松村武宏