三菱重工業株式会社は、現在開発中の新型ロケット「H3」試験1号機を報道陣に公開しました。H3ロケットは2021年度の打ち上げを目指し、開発が進められています。公開は愛知県にある三菱重工業・飛島工場で行われました。同社の公式Twitterによると、1月24日に機体が専用のコンテナに収容され、出荷への準備が進んでいる模様です。今後、コンテナに収容された機体は種子島宇宙センターまで船を使用して輸送されます。
H3ロケットは、日本の主力ロケットであるH-IIAロケットの後継機として開発中です。20年間の運用を目指し、年6回の打ち上げを可能にする予定です。また、国内の衛星打ち上げだけでなく、海外からの衛星打ち上げ受注を目指すために柔軟性、高信頼性、低価格の3つを目指して開発が進んでいます。様々な打ち上げに対応できるように多くのヴァリエーションが用意されており、ペイロードの大きさや重さに応じてフェアリングの種類や固体ロケットブースターの本数を変えることができます。そして、新たに開発された大型液体ロケットエンジン「LE-9」が取り付けられ、高度500km以上の太陽同期軌道に4t以上、静止トランスファー軌道に6.5t以上の打ち上げが可能となります。
合わせてH3の機体デザインも発表され、H-IIA/Bロケットでは側面に「NIPPON」と記されていましたが、H3ロケットでは「JAPAN」へ変更になっています。
H3ロケットは、2020年度中の打ち上げ予定でしたが、LE-9エンジンに技術的課題が見つかり、初号機は一年延期になりました。2021年度中の打ち上げを目指しています。
Image Credit: 三菱重工業株式会社 公式Twitter
Source: 三菱重工業株式会社 公式Twitter、JAXA
文/出口隼詩