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火星探査車が撮影した高解像度パノラマ写真が公開される。142枚の画像から作成

sorae.jp 2021年2月26日 21時12分

2月24日(現地時間、以下同様)、アメリカ航空宇宙局(NASA)は火星探査車「Perseverance(パーセベランス、パーサヴィアランス)」が撮影した画像をもとに作成された高解像度のパノラマ画像を公開しました。

火星探査車「Perseverance」のカメラ「Mastcam-Z」によって撮影された高解像度パノラマ画像(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS/ASU)※クリックで拡大

こちらが公開されたパノラマ画像です。マスト(Perseveranceの“頭”と表現されている)に取り付けられている複数のカメラのうち最大1600×1200ピクセルでの撮影が可能な「Mastcam-Z」を使い、マストを360度回転させながら撮影した142枚の画像をつなぎ合わせて作成されました。画像にはPerseverance周辺の地表をはじめ、着陸地点であるジェゼロ・クレーターの縁や、三角州とされる地形の断崖が捉えられています。

NASAのジェット推進研究所(JPL)によると、Perseveranceの近くでは3~5ミリメートル、遠く離れた地平線沿いの斜面では2~3メートルのスケールで地表の特徴が識別できるといいます。また、Perseveranceから少し離れた場所にある岩や、ジェゼロ・クレーターの縁をクローズアップした画像もあわせて公開されています。

なお、2月22日にはMastcam-Zと同じマストに取り付けられているナビゲーション用のカメラ「NavCam」によって撮影されたパノラマ画像が着陸時の動画や風の音とともに公開されており、今回の画像はPerseveranceが撮影したパノラマ画像としては2点目となります。

Perseveranceから離れたところにある岩のひとつをクローズアップしたもの(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS/ASU)※クリックで拡大

Mastcam-Zは2012年に火星のゲール・クレーターへ着陸した探査車「キュリオシティ」に搭載されている「Mastcam」を改良したもので、マストには24.1センチメートルの間隔を空けて地表から2メートルの高さに2つ取り付けられています。キュリオシティのMastcamでは実現しなかったズーム撮影にも対応しており、静止画、動画、3Dステレオ画像の撮影が可能です。

Mastcam-Zが撮影した画像はサンプルを採取する岩や堆積物の選定をはじめ、ジェゼロ・クレーターの地質学的な歴史や気象条件の評価などで活用されます。Perseveranceが採取したサンプルはNASAと欧州宇宙機関(ESA)が計画中の共同ミッションによって地球に持ち帰ることが計画されており、一連のミッションが順調に進めば、Perseveranceが採取したサンプルは将来地球の研究施設で分析されることになります。

遠くに見えるジェゼロ・クレーターの縁を拡大したもの(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS/ASU)※クリックで拡大

 

関連:着陸時の動画や火星の風の音。NASA探査車「Perseverance」新たなデータ公開

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS/ASU
Source: NASA/JPL
文/松村武宏

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