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スペースX、スターリンク60基打ち上げ 同一機体9回目の打ち上げと着陸に成功

sorae.jp 2021年5月7日 11時0分

現地時間5月4日、米宇宙企業スペースX社はフロリダ州にあるケネディ宇宙センター39A発射台から「スターリンク」衛星60基を打ち上げました。衛星は打ち上げから約64分後に分離し、ミッションは成功しました。また「ファルコン9ロケット」第一段機体は大西洋に待機しているドローン船「Of Cource I Still Love You」号への着陸に成功。同一機体による9回目の打ち上げと着陸の記録を打ち立てました。

【▲ ケネディ宇宙センターから打ち上げられるファルコン9ロケット(Credit: SpaceX)】

今回使用された第一段機体は2018年に打ち上げられた通信衛星「Telstar18 VANTAGE」、2019年に打ち上げられた衛星「Iridium-8」、6回のスターリンクミッションで使用されました。同一機体による9回目の打ち上げは、今年3月のミッションに続いて2回目となります。

宇宙開発・ビジネスで有名なニュースサイトSpace Newsの記事によると、スペースXは以前、ファルコン9ロケット第一段機体の飛行は10回が限度だろうと示唆していました。しかし、ここ最近はさらに機体の寿命を伸ばすことができるのではないかということが言われ始めているようです。4月23日に行われた同社とNASAの有人宇宙ミッション「Crew-2」のプレスカンファレンスにおいて、創業者兼CEOのイーロン・マスク氏は「スターリンクミッションで何らかの失敗があるまで(同じ)ファルコン9のブースターを飛ばし続けるかもしれない」と話しています。

スペースXにとってこの2週間は非常に忙しい週となりました、4月23日には、NASAとスペースXの有人ミッション「Crew-2」の打ち上げが行われました。同社の宇宙船「クルードラゴン」運用2号機にはJAXAの星出彰彦飛行士を含む4人の宇宙飛行士が乗り込みISS(国際宇宙ステーション)へドッキング。ISSには昨年11月に到着した「Crew-1」と共に2機のクルードラゴンが停泊している状態となりました。そのCrew-1は、野口聡一飛行士を含む4人を乗せて5月1日に地球へ帰還。有人宇宙船が夜間に着水するのは53年ぶりでした。さらに4月28日にもスターリンク60基の打ち上げが成功。また日本時間5月6日早朝、同社が開発を進める超大型宇宙船「スターシップ」の試験飛行にも成功するなど飛ぶ鳥を落とす勢いです。今後もスペースXのスピード感のあるミッションに注目です。

なお、今回のミッションが行われたのは5月4日。この日は「スターウォーズ記念日」として知られています。打ち上げの中継においても発射の瞬間に「May the force be with us」と言っているのが印象的でした。

 

Image Credit: SpaceX
Source: SpaceX, Space News
文/出口隼詩

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