韓国がNASA(アメリカ航空宇宙局)の推進する「アルテミス合意」に署名しました。署名式は韓国・ソウルで5月24日に行われました。
アルテミス合意は月面探査における初の国際的枠組みとして2020年10月にオンライン上で行われた「国際宇宙会議」の中で署名が行われ、当時はオーストラリア、カナダ、イタリア、日本、ルクセンブルク、イギリス、アラブ首長国連邦(UAE)そしてアメリカの8カ国で締結されました。その後11月にウクライナ、今回韓国の署名は10カ国目となりました。今後も同様に加盟国が増えていく見通しです。なお、バイデン政権で初めての加盟国となりました。
署名式に参加した韓国・科学技術情報通信部の大臣をつとめるイム・ヘスク氏は「成功した宇宙開発のためには、国際社会の協力によって透明性かつ責任のある宇宙開発活動を行うことが重要だ。アルテミス合意の署名に伴って、韓国は宇宙活動における国家間の協力を強めることができるだろう。」と述べています。またNASA長官のビル・ネルソン氏は「韓国がアルテミス合意に参加することに嬉しく思う。合意は月や火星への探査を支持する世界中の強い勢いを示すものだ。パートナーを組むことで透明性、安全性、平和的探査といった重要かつ普遍の原則に従いミッションが行われることになる。これは全ての人にとって宇宙が安全かつ繁栄した未来を保証するのに重要なことだ。」と韓国の合意を歓迎し、国際社会が協力して宇宙活動を行う姿勢を強調しています。
アルテミス合意への署名は5月21日に開催された韓国のムン・ジェイン大統領とアメリカのジョー・バイデン大統領の会談の後に行われました。宇宙開発・宇宙ビジネスのニュースを配信するSpace Newsによると、会談では民間宇宙開発、科学、航空関連の研究でパートナーシップを強化することなどに合意したということです。特に「民生用グローバルナビゲーション衛星システム協力」を締結し、独自の衛星測位システムを開発中の韓国がアメリカの支援を受けることを表明しました。これにより韓国の宇宙開発がより一層進歩することになります。
Credit: NASA/ROK Minister of Science and ICT
Source: NASA/Space News
文/出口隼詩