恒星の終焉に起きる『超新星爆発』を起こすのは、以下のどの星でしょう?
1. 太陽 2. ベテルギウス 3. シリウス
■太陽、ベテルギウス、シリウスの解説恒星の中心部分(核)では、水素を燃料とした核融合反応が起きています。その時に作られる膨大なエネルギーによって恒星は輝いていますが、燃料の水素を使い果たしてしまうと恒星は死んでしまいます。
晩年になり、水素がどんどん減ってヘリウムが多くなってくると、恒星の内部で核融合反応が起きる場所や、核融合する元素の種類に変化が生じ始めます。その頃になると恒星は膨張して、赤色巨星(せきしょくきょせい)や赤色超巨星(せきしょくちょうきょせい)と呼ばれる巨大な星になります。
太陽の今の年齢は約46憶歳で、寿命まであと約50憶年ありますが、晩年になると赤色巨星になって、地球の軌道も飲み込むほど膨張すると言われています。
そして表面からガスがゆっくりと宇宙空間に流れていき、やがてしぼんでいきます。
最後は白色矮星(はくしょくわいせい)という核だけが残った小さな星になって、一生を終える予定です。
星の終わり方は、生まれた時の重さによって異なります。
太陽の約8倍以上ある星は、あまりにも大きく膨張してしまって、自分の重さに耐えることが出来なくなり、Ⅱ型の超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ)を起こすと言われています。超新星爆発には、他にIa型(Wikipedia)などいくつか種類があります。
関連:超新星爆発が地球に及ぼす影響は? 手がかりが「木の年輪」にある可能性
オリオン座の赤い星ベテルギウスは、現在晩年を迎えていて赤色超巨星の状態にある恒星です。
ベテルギウスの生まれた時の重さは、太陽の約20倍と考えられていて、やがて超新星爆発を起こして中性子星(ちゅうせいしせい)になると言われています。
爆発を起こす時期についても、たびたび話題になっています。
最新の研究で、現在ベテルギウスはヘリウムの核融合を起こしている段階にあって、爆発まではまだ10万年かかると発表されました。
また、地球からベテルギウスまでの距離は約700光年と予想されていますが、もっと近い約530光年だとする説も発表されています。爆発による地球への影響を心配する声もありますが、ベテルギウス規模の超新星爆発が地球にダメージを与えるのは、その距離が50光年未満の場合と考えられています。
関連:ベテルギウス「大減光」の理由を解明か、最新の研究成果が発表される
1等星の中でも一番明るい星シリウスは、地球からの距離が8.6光年ととても近い恒星です。質量は太陽の約2倍ありますが、晩年に超新星爆発は起こさず、太陽と同じように白色矮星になって一生を終える予定です。
肉眼では見えませんが、19世紀にシリウスは伴星を持つ連星であることがわかりました。伴星はシリウスBと呼ばれる白色矮星で、表面温度は摂氏25000℃以上の高温とわかっています。今後は20憶年以上の時間をかけて冷えていくと言われています。
【答え】超新星爆発する星は正解は「2.ベテルギウス」でした。太陽やシリウスの場合は、その後「惑星状星雲」となり、その一生を終えることとなります。
関連:【宇宙天文を学ぼう】恒星の最後の輝き 惑星状星雲とは?
Image Credit: ESO/M. Montargès et al. NASA, ESA, H. Bond (STScI), and M. Barstow (University of Leicester))
文/sorae編集部