ヴァージン・ギャラクティックは、11日に同社の宇宙船「スペースシップ・ツー(VSS Unity)」の飛行試験「Unity 22」を行いました。今回初めてパイロット2名を含めた定員6人で実施されました。ヴァージングループの創設者であるリチャード・ブランソン氏がスペースシップ・ツーに搭乗し、宇宙から地球を眺めました。民間宇宙企業の創設者が自社の宇宙船で宇宙空間へ行くのは、今回が初めてです。
このミッションは「Unity 22」と言われており、スペースシップ・ツー22回目となる飛行試験です。スペースシップ2は、空中発射母機「ホワイトナイト2」の中央に取り付けられ、アメリカ・ニューメキシコにある「スペースポート・アメリカ」を離陸しました。その後上空約1万3700kmで切り離されて、スペースシップ2本体のエンジンに点火した後にマッハ3のスピードまで加速し上昇しました。高度86kmに達した後、地球へ帰還し、スペースポートアメリカの滑走路に着陸しました。
宇宙船のキャビンに乗り込んだ4人のミッションスペシャリストは、無重力空間に達すると席から離れて自由に動き回る様子がブロードキャスト(生放送)で確認されました。このミッションではキャビンの評価や宇宙からみた地球の眺め、スペースポートアメリカで5日前から始まるトレーニングなど、顧客体験に関する確認を行ったということです。
リチャード・ブランソン氏は「子供の時からこの瞬間を夢に見てきた。(中略)世界中の意欲ある宇宙飛行士にこの体験を共有するのが待ちきれない。」とコメントしています。
ヴァージン・ギャラクティックによると、あと2回の試験飛行を予定しており、その後2022年の商業飛行開始を目指すということです。
参考記事:ヴァージン、初めて6人で宇宙飛行へ リチャード・ブランソン氏も搭乗 日本時間7月11日夜
Image Credit: Virgin Galactic
Source: Virgin Galactic/SpaceNews
文/出口隼詩