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ブルーオリジンの宇宙飛行、最年長と最年少の宇宙旅行者が同時に搭乗へ

sorae.jp 2021年7月20日 17時3分

アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏が設立したアメリカの民間宇宙企業ブルーオリジンは、初の有人宇宙飛行を7月20日に行います。このミッションでは、ジェフ・ベゾス氏と弟のマーク・ベゾス氏が搭乗する予定になっています。定員4人のうち、他の2人は長らくそれが誰なのかは明らかにされてきませんでした。

また2人のうち一人は、ブルーオリジンが行うオークションで座席を落札した人物が搭乗できるということになっています。オークションは無事に終了し、約2800万ドルで落札されました。日本円に換算すると、なんと31億円です。しかし、今回の飛行では「スケジュールの都合により」、落札者は次回以降のミッションで搭乗することになりました。その繰り上がりで宇宙へ行くことになったのが、なんと18歳のオリヴァー・デーメン氏です。また2人のうちのもう一人は、ジェフ氏が「賓客」として向かい入れたウォーリー・ファンク氏、82歳です。驚くことに、このミッションで有人宇宙飛行をした最高齢と最小年齢が同時に更新されることになります。

■オリヴァー・デーメン氏

【▲ オランダ在住のオリヴァー・デーメン氏(Credit: Blue Origin)】

オリヴァー氏は18歳で、最年少の宇宙旅行者となります。4歳の時から宇宙や月、ロケットに魅了されていたということです。2020年に高校を卒業し、現在はギャップ・イヤーを過ごしています。今年9月にはオランダのトップクラスの大学・ユトレヒト大学に入学し、物理学などを学ぶ予定です。SpaceNewsの報道によると、オリヴァー氏は投資会社サマセット・キャピタル・パートナーズの創業者兼CEOをつとめるジョーズ・デーメン氏の息子だということです。ジョーズ氏はブルーオリジンの2回目の宇宙飛行に参加する予定でしたが、息子のオリヴァー氏に席を譲りました。

ちなみにこれまでの最年少の宇宙飛行者・宇宙旅行者は、旧ソ連(ロシア)のゲルマン・チトフ氏で、1961年8月にボストーク2号で宇宙へ旅立ちました。同年4月にはユーリ・ガガーリンが世界で初めて宇宙を訪れたばかりでした。

■ウォーリー・ファンク氏

【▲ ウォーリー・ファンク氏(Credit: Blue Origin)】

ウォーリー氏は現在82歳で、最高齢の宇宙旅行者となります。1960年代に宇宙飛行の訓練を受けており、Woman in Spaceプログラムに参加。のちに「マーキュリー13」として知られる13人の訓練を受けていた女性の一人です。しかし、宇宙へ行くことができませんでした。その後、女性として初めて連邦航空局(FAA)の検査官になったり、米国運輸安全委員会(NTSB)の航空安全調査官に女性として初めてつきました。

ウォーリー氏は先日有人飛行試験に成功したヴァージン・ギャラクティック社のスペース・シップ2の座席も購入しているということですが、まだ商用飛行が開始していないため搭乗していません。

なお、最高齢で宇宙飛行をしたのは、1998年10月29日に77歳でスペースシャトルSTS-95ミッションに搭乗したアメリカのジョン・グレン飛行士です。

 

関連:米初の地球周回 ジョン・グレン氏、95歳で亡くなる 向井さんと宇宙飛行も(2016)

Image Credit: Blue Origin
Source: Blue Origin1/Blue origin2/SpaceNews1/SpaceNews2
文/出口隼詩

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