1994年7月、木星にシューメーカー・レヴィ第9彗星が衝突しました。彗星は衝突前に砕けていましたが、衝突した破片の数はいくつだったでしょう?
1.「5個」 2.「21個」 3.「89個」
■シューメーカー・レヴィ第9彗星の解説シューメーカー・レヴィ第9彗星(Comet Shoemaker–Levy 9)は、1993年3月にアメリカの天文学者シューメーカー夫妻らによって発見された彗星で、識別符号は「D/1993 F2」です。
軌道解析の結果、シューメーカー・レヴィ第9彗星は1960年頃に木星に捕獲され、1992年7月には木星まで約7万kmという近距離まで接近していたことが判明しました。この大接近時に木星のロッシュ限界(破壊されずに主星に近づける限界の距離)を突破したことで、シューメーカー・レヴィ第9彗星は木星の重力がもたらす潮汐力によってバラバラに砕けてしまい、20個以上の破片に分裂したとみられています。
そして、1994年7月16日から22日にかけて、「21個」の破片が秒速60kmのスピードで相次いで木星の大気に突入していきました。その模様は地上にある世界中の大望遠鏡や「ハッブル」宇宙望遠鏡、木星に向かう途中だった木星探査機「ガリレオ」を使って観測されました。
シューメーカー・レヴィ第9彗星の衝突は、初めて観測された地球大気圏外での天体衝突でした。衝突が起きたのは木星の裏側に少し回り込んだところだったため、その様子を直接撮影することはできませんでしたが、衝突時に発生した閃光や木星の大気に残された黒っぽい衝突痕などは確認されています。
なお、一番大きな衝突痕は、地球と同じような大きさの直径約1万2000kmのダークスポットと、高さ約7500kmのキノコ雲を形成したといいます。シューメーカー・レヴィ第9彗星の衝突から27年経過しましたが、衝突によって木星の大気に残された水とシアン化合物は今も観測できるといいます。
正解は、2.「21個」でした。
シューメーカー・レヴィ第9彗星の木星衝突をきっかけに、地球に衝突する可能性のある天体観測も活発化したといいます。分裂する前のシューメーカー・レヴィ第9彗星のサイズは1.5~2kmと推定されていて、もしも地球に衝突すれば壊滅的な被害をもたらすかもしれないからです。
Source: Shoemaker-Levy 9 / Jupiter Impact
文/sorae編集部