こちらは「やまねこ座」の方向およそ7億6000万光年先にある相互作用銀河「Arp 195」です。相互作用銀河とは、互いに重力の影響を及ぼし合っている複数の銀河のこと。そのなかには銀河の重力がもたらす潮汐力によって長い尾を伸ばしたような姿をしているものや、笑顔や鳥のようにも見える不思議な姿をしたものもあります。
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Arp 195の場合、向かって左側には元の姿を比較的保っているように見える銀河があり、下に長く腕を伸ばした右側の銀河を吸い込もうとしているような、複雑な姿をしています。欧州宇宙機関(ESA)によると、Arp 195では2つではなく3つの銀河が相互作用しているといいます。これらの銀河にも数多くの惑星が存在すると思われますが、その地上から見上げた夜空には一体どのような光景が広がっているのでしょうか。
ダイナミックなArp 195の姿を示したこの画像には、「ハッブル」宇宙望遠鏡の観測データが用いられています。およそ1か月間に渡る科学観測の中断から7月18日に復帰したばかりのハッブル宇宙望遠鏡は、打ち上げから31年以上に渡って150万回以上もの観測を行い、さまざまな科学的発見に貢献してきました。
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ESAによると、ハッブル宇宙望遠鏡を使った観測の時間は大変貴重であり、観測と観測の合間を活用して、時折スナップショットが取得されるといいます。このArp 195の画像に使われているのも、そのような機会に取得された観測データです。こうしたスナップショットは壮観な光景を提供するだけでなく、研究者が有望な観測対象を特定する上でも役立つのだといいます。
冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」および地上の望遠鏡による掃天観測プロジェクト「スローンデジタルスカイサーベイ(SDSS)」による観測データをもとに作成されたもので、ハッブルの今週の一枚「Squabbling Galactic Siblings」(銀河のきょうだいげんか)として、ESAから2021年7月26日付で公開されています。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Dalcanton
Source: ESA/Hubble
文/松村武宏