こちらの画像は2021年8月16日にAPOD(Astronomy Picture of the Day)に掲載された珍しい空の光景です。
珍しいのは左側に帯状の天の川が写っているからではありません。暗い空ならばたいてい天の川の一部を見ることができます。
右側には一条の輝きを放つペルセウス座流星群が写っています。これは特に明るい流星でしたが、この時期(8月12日~13日が極大)にペルセウス座流星群が写っている画像はそれほど珍しいものではありません。
右下には赤いスプライト(Red Sprite)が写っています。スプライトと呼ばれる雷に伴う発光現象はここ数十年ほどの間に注目されるようになり、スプライトの画像もよく見かけるようになりました。
画面中央には新星(Nova)が写っています。肉眼で見えるほどの明るい新星は数年に一度の割合で発生しています。
しかし、この新星は「へびつかい座RS」として知られる「反復新星(再帰新星、回帰新星)」なのです。「反復新星」とは新星爆発を1年から数十年程度の間隔で繰り返す天体のことです。このほど2006年2月以来15年ぶりに新星爆発を起こしたことが8月9日(日本時間)に発見され、肉眼で見えるほどの明るさになりました。
しかし、何よりも珍しいのは、これらの現象が“一夜にして一つの空に集まった”ことです! メキシコのサカテカス(Zacatecas)上空での出来事です。
Image Credit: Daniel Korona
Source: APOD、VSOLJニュース
文/吉田哲郎