時々ニュースなどで地球に接近する小惑星が話題になります。しかし、任意の年に危険な小惑星が地球に衝突する可能性は低いと言われています。
とはいえ、過去の生物の大量絶滅の中には、小惑星の衝突との関連が指摘されているものもあり、人類は、いつか地球上の生命に影響を与える可能性のある小惑星を発見し、カタログ化することに力を注いできました。
冒頭の画像は、太陽を周回する天体の軌道を表わしていますが、惑星以外は潜在的な危険性が確認されている1000個以上もの小惑星の軌道なのです。
このような小惑星は「PHA」(Potentially Hazardous Asteroid:潜在的に危険な小惑星)と略称されています。これらの岩石や氷の塊は、大きさが140メートル以上あり、月の約20倍の距離である750万キロメートル以内を通過します。
今後100年以内に地球に衝突するものはありませんが、すべてのPHAが発見されているわけではありません。さらに、100年を超えると軌道の予測が困難になるものも多くあります。このような大きさの小惑星が地球に衝突した場合、危険な津波や災害を発生させる可能性があります。
そこで、小惑星から地球を守る方策を検討するため、NASAはDART(Double Asteroid Redirection Test:二重小惑星軌道変更実証実験)と呼ばれる宇宙機を今年中に打ち上げる予定です。これは宇宙機を小惑星に衝突させて、その軌道を変えようとする実験的なミッションです。
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もちろん、もっと小さなサイズの岩や氷のかけらは、毎日のように地球に衝突していますが、たいていは何の危険もありません。時には火球や流れ星のような印象的な光景を見せてくれます。
私たちを楽しませてくれる光景と危険性は紙一重なのかもしれません。
Image Credit: NASA, JPL-Caltech、NASA/Johns Hopkins Applied Physics Lab
Source: APOD
文/吉田哲郎