月はふつう灰色や金色の微妙な色合いで見えています。大気の影響などで赤っぽく見えたり青っぽく見えたりする場合もあります。
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しかし、冒頭の画像は望遠鏡で撮影された満月ですが、わずかな色の違いを誇張して表現しています。特に青色が目を引きます。
この色の違いは、月面の化学組成の違いに対応していると考えられています。青色はチタンの豊富な地域、オレンジ色や紫色はチタンや鉄が比較的少ない地域を表わしています。
右上の青い部分は、アポロ11号の月着陸船が着陸したことで有名な「静かの海」です。右下には直径85キロメートルにもなる「ティコ」クレーターが見えています。ティコからは「光条」と呼ばれる白い線が放射状に伸び、オレンジ色の月の「高地」を横切っています。
先日8月22日の満月は「ブルームーン」と呼ばれる満月でした。それは青く見える月だったからではありません。
季節を「分点」(春分・秋分)と「至点」(夏至・冬至)で区分したとき、1つの季節の間に4回の満月が見られることがあります。その場合、3番目の満月を「季節のブルームーン」と呼ぶことがあります。
実際、今年(2021年)の夏至から秋分の間には4回の満月が見られます。日本時間で列挙してみると以下のようになります。
夏至:6月21日 1番目の満月:6月25日 2番目の満月:7月24日 3番目の満月:8月22日 4番目の満月:9月21日 秋分:9月23日季節のブルームーンはアメリカ・メイン州の農事暦(Maine Farmer’s Almanac)に基づいているようです。また、季節のブルームーンは2、3年ごとに起きます。次回は2024年8月に見られます。
秋と言えば「中秋の名月」。中秋の名月と満月は日付がずれることがよくありますが、今年の中秋の名月は満月です。そして、季節のブルームーンに続く「4番目の満月」になります。
また、今年は月だけでなく木星と土星も並び、晴れてくれれば素晴らしい眺めになりそうです。
Image Credit: Robert Fedez、国立天文台
Source: APOD、国立天文台、EarthSky
文/吉田哲郎