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国際宇宙ステーションのロシア区画で煙探知器が作動、焦げ臭いにおいも報告される

sorae.jp 2021年9月10日 17時19分

【▲ 国際宇宙ステーションのロシア区画、青いソーラーパネルを左右に大きく広げているモジュールが「ズヴェズダ」(Credit: ROSCOSMOS)】

ロシアの国営宇宙企業ロスコスモスは現地時間9月9日、国際宇宙ステーション(ISS)ロシア区画のサービスモジュール「ズヴェズダ(Zvezda)」で煙探知器が作動したことを明らかにしました。

ロスコスモスによると、問題が発生したのは日本時間2021年9月9日10時55分のことで、ズヴェズダでバッテリーの自動充電中に煙探知器が作動して警報が鳴りました。当時就寝中だった宇宙飛行士はエアフィルターを作動させ、船内の空気を浄化してから休息に戻ったとされています。ロスコスモスは発表において、ISSロシア区画の状態は正常であり、船内の空気の組成にも問題はないとしています。

アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、警報で目覚めた宇宙飛行士からは焦げ臭いにおいが報告されており、再度就寝する前にフィルターが交換されたといいます。また、RIAノーボスチは宇宙飛行士が焦げ臭さだけでなく煙を視認したことを報じており、ロシアのオレッグ・ノヴィツキー宇宙飛行士とピョートル・ドゥブロフ宇宙飛行士がパネルを開いて煙の発生源を探したものの、特定できなかったとしています。なお、この半日後、両飛行士は7月にドッキングした多目的実験モジュール「ナウカ(Nauka)」の統合作業の一環として予定されていた船外活動を実施しました。

2000年7月に打ち上げられたズヴェズダは、もともとロシア/旧ソ連が運用していた宇宙ステーション「ミール」のコアモジュール(DOS-7)のバックアップとして1980年代に製造されたモジュール(DOS-8)です。ズヴェズダは1998年11月にISSで一番最初に打ち上げられた基本機能モジュール「ザーリャ(Zarya)」よりも古く、すでに修繕済みではありますが、近年では亀裂からの空気漏れも生じています。

ISSのロシア区画は2028年までの運用が計画されており、ロスコスモスでは2021年11月に新たなモジュール「プリチャル(Prichal)」の打ち上げも予定しています。そのいっぽうでロシア区画の老朽化も認識されており、ロシア独自の宇宙ステーション「ROSS」(Russian Orbital Service Station、直訳すれば「ロシア軌道サービスステーション」)を2025年以降に建設することも提案されています。

関連:ISSの新モジュール「プリチャル」11月の打ち上げに向けて準備が進む

ISSは日米欧側の区画も老朽化と無縁ではなく、太陽電池の経年劣化に対処するべく合計6基の新しい太陽電池パドル「iROSA」の増設作業が進められていて、すでに2基の設置が完了しています。

宇宙飛行士の長期滞在開始からISSは今年で21周年を迎えますが、避けられぬ運用終了の時が近付いていることを予感させます。

関連:国際宇宙ステーションの新型太陽電池アレイ「iROSA」2基目の展開も完了

 

Image Credit: NASA/Roscosmos
Source: Roscosmos / RIA Novosti
文/松村武宏

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