アメリカの大人気SFドラマ・映画『スタートレック』のカーク船長役、ウィリアム・シャトナー氏がついに宇宙へ行きました。民間宇宙企業ブルーオリジンは、日本時間10月13日午後11時49分、有人宇宙船「ニューシェパード」の打ち上げに成功しました。
このミッションは「NS-18」と呼ばれており、シャトナー氏の他にも3名のクルーが搭乗しています。宇宙から帰還したシャトナー氏は、ブルーオリジンの創業者であるジェフ・ベゾス氏にその体験を熱く、感慨深く語っていました。シャトナー氏は「" Everyboday in the world needs to do this."(地球上のみんながこの体験をする必要がある)」と述べました。なお、シャトナー氏は現在90歳であり、宇宙へ行った最高齢記録を更新。ブルーオリジンは今年7月の有人宇宙飛行「NS-16」においてウォーリー・ファンク氏の82歳という当時最高齢記録を樹立したばかりでした。
西テキサスにある同社のロケット発射場Launch Site Oneから打ち上げられた宇宙船は、推定で高度107kmに達しました。これにより、地球と宇宙の境目とされる高度100kmのカーマン・ラインを超えたことになります。ニューシェパード宇宙船は、人が乗り込む「カプセル」部分と燃料などを積み込む「ブースター」部分に分かれています。打ち上げから約7分後、ブースターが地球へ帰還し、見事な着陸を見せました。その後、打ち上げから10分15秒後、クルーをのせたカプセルが無事に着陸しました。
このミッションでは、シャトナー氏の他に3人のクルーが搭乗しました。ブルーオリジンで飛行管制(フライトオペレーション)担当部のVPであるオードリー・パワーズ氏、衛星画像を提供する民間会社PlanetLabs社のクリス・ボシュイゼン氏、フランスのソフトウェア企業Dassault Systemsのグレン・デ・ブライス氏です。
ブルーオリジンによると、今年中にもう一度、有人宇宙飛行計画があるとしていますがその詳細については明らかにしていません。アメリカの宇宙開発誌Space Newsよると、12月ごろにニューシェパード最大の搭乗人数である6人を乗せて、打ち上げるかもしれないということです。
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Image Credit: Blue Origin Webcast
Source: Blue Origin/Space News
文/出口隼詩