ロシアの国営宇宙企業ロスコスモスは日本時間2021年12月8日、有人宇宙船「ソユーズMS-20」の打ち上げを実施しました。ソユーズMS-20は打ち上げからおよそ6時間後に国際宇宙ステーション(ISS)のロシア区画へドッキングし、搭乗していた3名のクルーは第66次長期滞在クルーの7名と無事合流しています。
■日本の民間人として初めて国際宇宙ステーションに滞在今回打ち上げられたソユーズ宇宙船にはコマンダーのアレクサンダー・ミシュルキン(Alexander Misurkin)宇宙飛行士をはじめ、宇宙旅行者として民間人の前澤友作さん、平野陽三さんの2名を含む合計3名が搭乗しました。今回の宇宙旅行はアメリカの宇宙旅行会社スペースアドベンチャーズの企画によるもので、前澤さんたちは12月20日までISSに滞在します。
ソユーズMS-20を搭載したロケット「ソユーズ2.1a」は、12月8日16時38分(日本時間、以下同様)にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地第31発射台から打ち上げられました。打ち上げ9分28秒後にソユーズロケットの第3段から分離したソユーズMS-20は地球を4周しながら高度を上げていき、打ち上げから約6時間後の同日22時40分にISSロシア区画の小型研究モジュール2「ポイスク」へドッキングしました。
ソユーズMS-20とポイスクモジュールのハッチはドッキングから2時間半ほど後の12月9日1時11分に開放され、3名のクルーはISSの船内へと入りました。日本の民間人がISSに滞在するのは今回が初めてです。前澤さんたちが到着したことで、ISSに滞在中のクルーは合計10名になりました。またロスコスモスによると、ソユーズMS-20は3名のクルーとともに食料品や消耗品、滞在中の宇宙飛行士への贈り物など合わせて約162kgの物資もISSに送り届けたとのことです。
ISSでの12日間を過ごした前澤さんと平野さんはミシュルキン飛行士が操縦するソユーズMS-20に再び搭乗し、12月20日に地球へ帰還する予定です。
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Image Credit: Roscosmos, NASA TV
Source: Roscosmos / NASA
文/松村武宏