三菱重工業は日本時間2021年12月23日0時32分、衛星通信サービスを手がけるインマルサット社の通信衛星「Inmarsat-6 F1(I-6 F1)」を搭載した「H-IIA」ロケット45号機を種子島宇宙センターから打ち上げました。I-6 F1は離陸から約26分後に切り離され、打ち上げは成功しています。
I-6 F1はインマルサット社の第6世代通信衛星「Inmarsat-6(I-6)」シリーズの初号機にあたる衛星です。I-6シリーズはLバンドを利用する狭帯域衛星ネットワーク「ELERA」およびKaバンドを利用する高速衛星ブロードバンド「Global Xpress」という同社の2つのサービスに対応しており、同社が構想する静止衛星・低軌道衛星・地上の5Gを統合したネットワーク通信網「ORCHESTRA(オーケストラ)」における重要なピースになることが期待されています。
インマルサット社によると、I-6シリーズは打ち上げ時の重量が5470kg(推進剤込み)、本体の全長が7.5m、太陽電池アレイ展開後の幅が47mという大型の衛星です。I-6 F1は打ち上げから数日の間に直径9mのLバンドアンテナ反射鏡を展開し、その後は搭載されている電気推進システムを使用して高度約3万6000kmの静止軌道を目指します。
また三菱重工業によると、H-IIAロケットの打ち上げ成功率は今回の45号機で97.8パーセントに到達。宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)の打ち上げに9回使われた「H-IIB」ロケット(全て打ち上げ成功)も含めれば、打ち上げ成功率は98.1パーセントに達したとのことです。
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Image Credit: Inmarsat
Source: 三菱重工業 / Inmmarsat
文/松村武宏