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南天“かじき座”の渦巻銀河とその周辺、ダークエネルギーカメラが撮影

sorae.jp 2022年3月13日 21時5分

【▲ 渦巻銀河「NGC 1703」とその周辺の様子(Credit: Dark Energy Survey/DOE/FNAL/DECam/CTIO/NOIRLab/NSF/AURA; Image Processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), J. Miller (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab), M. Zamani & D. de Martin (NSF’s NOIRLab))】

こちらは南天の星座「かじき座」の一角を捉えた画像です。チリのセロ・トロロ汎米天文台にあるブランコ4m望遠鏡に設置された観測装置「ダークエネルギーカメラ(DECam)」によって撮影されました。

地球に対して正面を向けた渦巻銀河「NGC 1703」の姿が目を引きますが、この画像に写っている銀河はそれだけではありません。幾つかの光点は天の川銀河の星々ですが、NGC 1703の下に見える2本の渦巻腕を持った銀河「ESO 119-18」をはじめ、背景には数え切れないほどの銀河が写っています。小さく見える光点のひとつひとつが、何十億・何百億以上もの恒星からなる銀河の輝きなのです。

画像を公開した米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)では、同じ画像のズーム対応バージョンもあわせて公開しています(URLはこちら:https://noirlab.edu/public/images/iotw2210a/zoomable/)。このバージョンではNGC 1703を大きく拡大してみたり、周辺にどのような銀河が写っているのか探索してみたりすることが可能です。広大な宇宙とその長い歴史に暫し思いを馳せてみませんか?

【▲ ズーム対応バージョンで「ESO 119-18」(右下)周辺を拡大したもの(Credit: Dark Energy Survey/DOE/FNAL/DECam/CTIO/NOIRLab/NSF/AURA; Image Processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), J. Miller (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab), M. Zamani & D. de Martin (NSF’s NOIRLab))】

撮影に用いられたダークエネルギーカメラは満月約14個分の広さ(3平方度)を一度に撮影できる巨大なデジタルカメラ(画素数約520メガピクセル)のような装置で、2013年から2019年にかけてダークエネルギー(暗黒エネルギー)の研究を主な目的とした観測が実施されました。冒頭の画像はNOIRLabから2022年3月9日付で公開されています。

 

関連:南天“かじき座”の踊るようなグランドデザイン渦巻銀河「NGC 1566」

Source

Image Credit: Dark Energy Survey/DOE/FNAL/DECam/CTIO/NOIRLab/NSF/AURA; Image Processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), J. Miller (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab), M. Zamani & D. de Martin (NSF’s NOIRLab) NOIRLab - A Dorado’s Scale NOIRLab - A Dorado’s Scale(ズーム対応バージョン)

文/松村武宏

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