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地上の望遠鏡が撮影した2400光年先の惑星状星雲「EGB 6」

sorae.jp 2022年4月15日 21時20分

【▲ 惑星状星雲「EGB 6」(Image Credit: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA; Image Processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab))】

こちらは「しし座」の方向約2400光年先にある惑星状星雲「EGB 6」です。惑星状星雲は、超新星爆発を起こさない太陽のように比較的軽い恒星(質量は太陽の8倍以下)が進化する過程で形成されると考えられている星雲です。

太陽のような恒星が主系列星から赤色巨星へ進化すると、外層から周囲へとガスを放出するようになります。ガスを失った星が赤色巨星から白色矮星へと移り変わる段階になると、星から放射された紫外線によって周囲のガスが電離して光を放ち、星雲として観測されるようになるのです。このタイプの星雲は昔の望遠鏡では惑星のように見えたことから、その名残りとして今でも“惑星状”星雲と呼ばれています。

死にゆく恒星が描き出した惑星状星雲は、宇宙の長い歴史の中では短命な天体です。白色矮星に進化する星の表面温度が下がるにつれて、ガスの輝きも失われていくからです。画像を公開した米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)によれば、惑星状星雲を作り出す恒星の寿命が3000万年~100億年であるのに対し、惑星状星雲の寿命は約2万年とされています。

冒頭の画像はアメリカのキットピーク国立天文台にある口径4mのメイヨール望遠鏡によって撮影されたもので、NOIRLabから2022年4月13日付で公開されています。画像は2色のフィルターを使って撮影された画像をもとに作成されていて、水色は酸素、オレンジ色は水素の分布に対応しています。

 

関連:短命な天体「宇宙の噴水」は共通外層を持つ連星の可能性、アルマ望遠鏡の観測成果

Source

Image Credit: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA; Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab) NOIRLab - A Dead Star’s Shroud

文/松村武宏

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