米国東部夏時間2022年5月20日(日本時間5月21日)、ボーイングの新型宇宙船「CST-100 Starliner(スターライナー)」が国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功しました。スターライナーがISSに到着したのは今回が初めてです。スペースXの「Crew Dragon(クルードラゴン)」に続く米国民間企業の有人宇宙船として、実用化に向けた大きな一歩となりました。
今回のミッションはスターライナーによる2回目の無人軌道飛行試験「OFT-2(Orbital Flight Test 2)」で、打ち上げからISSへのドッキングを経て地球に帰還するまでの実証試験を目的としています。2019年12月に実施された1回目の無人軌道飛行試験「OFT」ではスターライナーのソフトウェアに問題があり、ISSへ向かうための軌道へ入ることができず、ドッキングを断念して地球に帰還していました。
米国東部夏時間5月19日18時54分(日本時間5月20日7時54分)、米国フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地第41発射施設からユナイテッドローンチアライアンス(ULA)の「アトラスV」ロケットで打ち上げられたスターライナーは、ISSへ向かう計画通りの軌道へ入ることに無事成功。打ち上げから24時間ほど後の米国東部夏時間5月20日20時28分(日本時間5月21日9時28分)に、スターライナーはISSの「ハーモニー」モジュール前方へドッキングしました。
https://twitter.com/NASA/status/1527809051358273536
【▲ スターライナーのドッキングを動画で伝えるNASA公式Twitterアカウントのツイート】
スターライナーとISS船内を隔てるハッチの開放は、ISSに滞在中の第67次長期滞在クルーによって米国東部夏時間5月21日11時45分(日本時間5月22日0時45分)頃から行われます。スターライナーはISSに数日間留まり、5月25日にドッキングを解除して地球へ帰還する予定です。
アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、到着したスターライナーにはNASAの物資や宇宙飛行士への荷物が合計500ポンド(約227kg)以上搭載されています。帰還時には再利用のために地上で整備を受けるNORS(Nitrogen Oxygen Recharge System、ISSの船内に窒素と酸素を補充するシステム)のタンクをはじめ、合計600ポンド(約272kg)以上の物資が積み込まれる予定とのことです。
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Image Credit: NASA TV NASA - Boeing’s Starliner Docks to Station for Cargo and Test Ops文/松村武宏