こちらの画像は、ハッブル宇宙望遠鏡が2012年に撮影した、地球から何百万光年も先にある遠方の銀河「ESO318-13」。「ハッブルのキラキラ銀河(Hubble's Glitter galaxy)」とも紹介されています。
ESO318-13は明るく鮮明に写っている数え切れないほどの星々に挟まれています。銀河の塵の中にも、遠くに近くに、星々がまばゆいばかりに輝いています。
特に目立つのは、画像の中央付近にある星で、ESO318-13の中にある非常に明るい星のように見えます。しかし、これは遠近法のトリックです。この星はわれわれの天の川銀河の中にあり、ESO318-13よりもはるかに近くにあるため、明るく輝いて見えるのです。
また、画面内には、もっと遠くにある銀河がいくつも散らばって見えています。右上には、ESO318-13よりもはるかに大きく、もっと遠方にある楕円銀河がはっきりと見えています。さらに興味深いのは、ESO 318-13の右端付近に、遠方の渦巻銀河が垣間見えています。
銀河は、その大部分が空洞のようなスカスカな空間でできており、その中にある星はわずかな体積を占めているにすぎません。だから、塵が少なければ、背景から来る光はほとんど透過してしまいます。そのため、このような銀河の重なりがよく見られます。
ESO318-13は、NASAが2022年6月15日付で「The Sparkle of Distant Galaxies(遠方の銀河の輝き)」と題して改めて紹介されました。
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Image Credit: NASA/ESA/Hubble NASA (1) (2)文/吉田哲郎