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鋭いフックのような形にゆがんだ“とびうお座”の渦巻銀河「NGC 2442」

sorae.jp 2022年8月25日 19時29分

【▲ ラ・シヤ天文台のデンマークの1.54m望遠鏡で撮影された渦巻銀河「NGC 2442」。2009年12月公開(Credit: ESO/IDA/Danish 1.5 m/R. Gendler, J.-E. Ovaldsen, C. C. Thöne and C. Féron)】

こちらは南天の「とびうお座」の方向約5000万光年先にある渦巻銀河「NGC 2442」です。NGC 2442は「渦巻銀河」と「棒渦巻銀河」の中間にあたる形態を持つ銀河(intermediate spiral galaxy)に分類されています。

NGC 2442にある2本の目立つ渦巻腕(渦状腕)は非対称に大きくゆがんでいますが、これは過去に別の銀河と重力を介して相互作用した結果だと考えられています。フックのようなその姿から、NGC 2442は「Meathook Galaxy(ミートフック銀河)」とも呼ばれています。

冒頭の画像はチリのラ・シヤ天文台にあるデンマークの1.54m望遠鏡で撮影され、2009年12月3日付で公開されていたもので、ヨーロッパ南天天文台(ESO)のTwitter公式アカウントが2022年8月23日付で改めて紹介しています。

【▲ ラ・シヤ天文台のMPG/ESO 2.2m望遠鏡で撮影された渦巻銀河「NGC 2442」。2011年5月公開(Credit: ESO)】

なお、2011年5月には、同じくチリのラ・シヤ天文台にあるMPG/ESO 2.2m望遠鏡で撮影されたNGC 2442の画像もESOから公開されています。こちらの画像ではフック状の渦巻腕に沿うように分布する、若く高温な大質量星から放射された紫外線によって電離した水素ガスが赤い光を放つ「HII(エイチツー)領域」がよくわかります。

HII領域はガスと塵を材料に星が形成される星形成領域でもあります。ESOによると、NGC 2442の渦巻腕をゆがませたのと同じ相互作用によって、星形成もまた促された可能性があるようです。

また、最後に掲載したのは「ハッブル」宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」を使って撮影された、NGC 2442のクローズアップです。明るい光を放つ銀河中心核や、ミートフックにたとえられる片方の渦巻腕が鮮明に捉えられています。

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)で撮影された渦巻銀河「NGC 2442」。2020年8月公開(Credit: ESA/Hubble & NASA, S. Smartt et al.)】

 

 

関連:天の川銀河のご近所さん。300万光年先の渦巻銀河「さんかく座銀河」

Source

Image Credit: ESO/IDA/Danish 1.5 m/R. Gendler, J.-E. Ovaldsen, C. C. Thöne and C. Féron ESO - Distorted galaxy NGC 2442 ESO - Two Views of a Lopsided Galaxy ESA/Hubble - Cosmic Fireworks @ESO (Twitter)

文/松村武宏

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