アメリカ航空宇宙局(NASA)は日本時間11月16日に、新型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」初号機の打ち上げを実施しました。搭載されていた新型有人宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」は無事に月へ向かう軌道に乗ったことを、NASAは公式サイトやSNSで報告しています。
打ち上げに関する情報は以下の通りです。
■ミッション情報:アルテミス1ロケット:SLS(スペースローンチシステム)ブロック1
打ち上げ日時:日本時間2022年11月16日15時47分【成功】
発射場:ケネディ宇宙センター第39発射施設(アメリカ)
ペイロード:有人宇宙船「オリオン」、小型探査機10機
今回のミッション「アルテミス1」は、有人月面探査計画「アルテミス」最初のミッションであり、SLSとオリオンの無人飛行試験にあたります。
ケネディ宇宙センターの39B射点から打ち上げられたSLS初号機は、約2分後に2基の固体燃料ロケットブースターを、約8分後にコアステージ(第1段)を分離。打ち上げ24分後には、オリオンに4基搭載されている太陽電池アレイすべての展開が完了しました。
打ち上げ52分後にはSLS上段(第2段)のICPSに搭載されているエンジンが点火され、近地点高度が約30kmから約180kmまで引き上げられました。ICPSのエンジンは打ち上げから約1時間30分後に再び点火され、オリオンを月へ向かう軌道(月遷移軌道)へ乗せるために約18分間燃焼。打ち上げから1時間54分後にはICPSからオリオンが切り離され、打ち上げは成功しました。
2時間の打ち上げウィンドウは日本時間2022年11月16日15時4分に開きましたが、極低温推進剤の充填開始後に確認された水素漏れの対応などが行われたため、ウィンドウが開いてから43分後の打ち上げとなりました。無人のオリオンは月周辺を飛行した後、12月11日に地球へ帰還する予定です。
なお、アルテミス1では日本の「OMOTENASHI(おもてなし)」や「EQUULEUS(エクレウス)」など10機の小型探査機が相乗りしており、打ち上げ3時間40分後から約8時間後にかけてICPSから順次放出されます。
アルテミス1は2025年に予定されている53年ぶりの有人月面探査ミッション「アルテミス3」に向けた重要なステップであり、その最初の段階にあたる打ち上げと月遷移軌道投入は無事成功したことになります。
We are going.
For the first time, the @NASA_SLS rocket and @NASA_Orion fly together. #Artemis I begins a new chapter in human lunar exploration. pic.twitter.com/vmC64Qgft9
Source
Image Credit: NASA NASA - Artemis (NASA Blogs)文/sorae編集部 速報班 - 2022年11月16日17時51分