地球は温暖化しているのでしょうか? その問いにヒントを与えてくれる動画をNASAが公開しています。
それは、最近の地球温暖化の様子を視覚表現したもので、1880年~2021年(約140年間)の世界の平均気温の月毎「偏差」を順次らせん状の円環に表示する内容の動画にまとめてあります。
偏差とは、個々の数値と平均値との差のこと。1951年~1980年の間の平均気温が基準となっていて、グラフでは0℃の緑色の円で表わされています。
動画を見ていると、最初は偏差が0℃以下のマイナスだったのが、1940年頃からプラスに転じる年が多くなっていくように見えます。さらに、1980年あたりからプラスの偏差が大きくなり、加速していくようにも見えますが、はっきりとはわかりません。
動画はらせん状に積み重ねた円環を横(側面)から眺めるシーンで終わります。あらためて側面から見てみると、やはり1980年頃から偏差が急に大きくなっていく様子がわかります。
過去2億5千万年と比較すると、現在の地球は相対的に寒く、平均より4℃ほど低くなっている可能性がありますが、過去120年間に地球の平均気温が1℃近く上昇したことをデータは示しているということです。
海面上昇、降水パターンの変化、極地の氷の融解など、地球温暖化の進行はすでに多くの人に知られています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、私たち人類が温暖化の波を作り出し、それが今後も続くだろうと結論づけています。
なお、気温データはNASAのゴダード宇宙科学研究所の「表面温度解析」から取得されたもので、この動画は2022年8月22日付けの「Astronomy Picture of the Day」(APOD、アメリカ航空宇宙局とミシガン工科大学が運営)で紹介されました。
Source
Image, Video Credit: NASA's Scientific Visualization Studio Astronomy Picture of the Day - Earth's Recent Climate Spiral NASA's Scientific Visualization Studio - GISTEMP Climate Spiral文/吉田哲郎