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ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した“さそり座”の球状星団「ターザン4」

sorae.jp 2022年9月12日 21時32分

【▲ 球状星団「ターザン4」(Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Cohen)】

こちらは「さそり座」にある球状星団「ターザン4(Terzan 4)」です。視野全体で輝く星々の色のコントラストが美しさを感じさせます。球状星団とは、数万~数百万個の恒星が球状に集まっている天体のこと。天の川銀河ではこれまでに150個ほどの球状星団が見つかっています。

天の川銀河の中心がある「いて座」や、その隣にある「さそり座」の方向には、星々が集まっている銀河中心部分の膨らみ「銀河バルジ」があります。バルジには星だけでなくガスや塵も集まっていて、さそり座やいて座の方向では塵が豊富な暗黒星雲も帯のように連なっています。

塵には星から放射された光(特に波長の短い青色光)を吸収・散乱させやすい性質があるので、星からの光をさえぎったり、実際よりも赤っぽく見えるように変えてしまったりします。ただし、可視光線の赤色光や近赤外線といった一部の波長は塵を比較的通過しやすいため、塵の向こう側にある天体を観測するのに役立ちます。

この画像は、「ハッブル」宇宙望遠鏡に搭載されている「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」および「広視野カメラ3(WFC3)」を使って取得された画像(可視光線と赤外線のフィルター合計3種類を使用)をもとに作成されました。人の目は赤外線を捉えることはできないため、フィルターを通して取得されたモノクロ画像をそれぞれ青・緑・赤に着色した上で合成されています。

画像を公開した欧州宇宙機関(ESA)によると、ハッブル宇宙望遠鏡によるターザン4の観測は、天の川銀河の中心に近い球状星団の形状・密度・年齢・構造を理解する研究の一環として実施されたとのことです。冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚として、ESAから2022年9月12日付で公開されています。

 

関連:星々が輝く宇宙の宝箱。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した球状星団「NGC 6540」

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Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Cohen ESA/Hubble - Starstruck in Terzan 4

文/松村武宏

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